44歳・24年ぶりに高知よさこいへ|チーム和煙で踊った県外参加のリアルな体験談

44歳・24年ぶりに高知よさこいへ|チーム和煙で踊った県外参加のリアルな体験談

「学生の頃に踊ったことはあるけど、もう20年以上前」

「今さら40代で、知り合いもいないチームに飛び込めるだろうか」

もしそう思って検索されたのなら、この記事はまさにあなたのために書いています。

僕は44歳。18歳から20歳までを高知で過ごし、学生時代に一度だけよさこいを踊りました。そこから24年間、鳴子を握らないまま過ごし、今年、応援ナースとして赴任した高知で、もう一度踊ってきました。

結論から言います。年齢は、思っていたほど関係ありませんでした。 ただし、40代には40代の準備が必要でした。この記事では、申し込みから本番までに実際にかかったお金・時間・体力を、きれいごと抜きで書いていきます。


この記事でわかること

・40代・県外・一人でも、よさこいのチームに入れるのか
・チームの探し方と、申し込みでつまずいたときの対処法
・実際にかかった参加費・持ち物・練習頻度(有給は何日使ったか)
・40代が本当に気をつけるべき体力面と、看護師として痛感した熱中症対策
・踊り終えて何が変わったか

▼実際に踊った様子はこちら(約11分)

結論:40代・一人・県外からでも、よさこいは踊れる


結論:40代・一人・県外からでも、よさこいは踊れる

先に、僕が2か月かけて確かめた答えを並べておきます。

不安実際どうだったか
年齢が高すぎないか僕より年上の踊り子さんが普通に踊っていた
出来上がったコミュニティに入れるか想像していた壁はなかった。むしろ歓迎された
県外から参加できるのか大阪から通っている方もいた
仕事と両立できるか日勤常勤なら十分可能。有給は0日で済んだ
体力が持つかここだけは正直きつかった(後述)
お金がかかるのでは参加費3万円+水分代程度

不安のほとんどは、踏み出す前の自分が勝手に作っていたものでした。唯一、本物だったのが体力と暑さです。


なぜ44歳で、24年ぶりに踊ろうと思ったのか

18歳の僕は、広島から逃げるように高知へ来た

少しだけ昔話をさせてください。

中学校から高校まで、僕はずっといじめられて育ちました。とにかく広島を離れたかった。誰も自分を知らない土地で生活してみたかった。当時の親友が「お前でも入れるところ探してやったぜ」と教えてくれたのが、高知短期大学の夜間部でした。

同級生はほとんどが社会人。19歳は数えるほどしかいない環境でした。その中で出会ったのが、よさこいです。日韓の姉妹校と合同で踊った、あの夏。

あのとき踊っていなかったら、24年後に高知へ戻ってくることもなかったと思います。それくらい、僕の中で高知=よさこいの記憶でした。

応援ナースとして5か所目、まさかの高知

僕は今、応援ナースとして働いています。看護師が不足している医療機関に、数か月単位で赴任する働き方です。

函館、横浜、根室、種子島、そして高知。

赴任先が高知に決まったとき、真っ先に浮かんだのが「せっかく思い出の場所に戻ってきたなら、もう一度踊ろう」でした。まさか自分が、看護師としてこの街に帰ってくるとは思っていませんでした。

「今しかない」と思った理由

44歳です。ここから体力は落ちていくフェーズに入ります。

これを逃したら、次に踊れる機会があるだろうか。

応援ナースは契約期間が終われば別の土地へ移ります。「高知にいる今年の夏」は、人生で一度きりでした。迷っている時間のほうが、もったいなかった。


チームの探し方:きっかけはスーパーのレジ横のチラシ

44歳・24年ぶりに、よさこいで踊ることにした。

情報は、意外と生活動線に落ちている

県外から参加する場合、最大の壁は「そもそもどうやってチームを見つけるのか」だと思います。

僕の場合は、本当に偶然でした。近所のスーパーで買い物をして、会計を済ませてふと顔を上げたら、「踊り子募集」と書かれたチラシが目に入ったんです。それがチーム和光でした。

高知に住んでいるなら、スーパー、商店街の掲示板、公民館。このあたりは意外と侮れません。県外にお住まいの方は、Instagramで「チーム名+よさこい」「よさこい 踊り子募集」あたりから探すのが早いです。

Googleフォームの返信が来ない→Instagramで解決した

ここは、同じところでつまずく人が絶対にいると思うので書いておきます。

チラシに書いてあったGoogleフォームから申し込みをしたのですが、待っても返信が来ませんでした。

「どうしたらいいんだろう」と数日悩んだのですが、チームのInstagramアカウントを見つけてDMを送ってみたところ、すぐに返事が来ました。それであっさり参加が決まりました。

ここが分かれ道です。 フォームの返信がないだけで「募集は終わったんだな」と諦める人は、たぶん多い。運営はボランティアで回っていることがほとんどなので、返信が漏れることは普通にあります。SNSからもう一度、遠慮なく連絡してみてください。

立ち上げ3年目のチームだった

参加してから知ったのですが、チーム和光は立ち上がって3年目のチームでした。

歴史の浅いチームは、新しく入る人にとってかなり入りやすいです。「昔からのメンバーの輪」が固まりきっていないぶん、後から入った人も自然に馴染めます。県外からの参加を考えているなら、老舗の大チームだけでなく、比較的新しいチームも候補に入れることをおすすめします。


練習から本番まで:40代のリアルな2か月

初練習、まったく踊れなかった

はっきり言います。初練習は、全然踊れませんでした。 全然です。

24年前、学生の頃は学生が指導者でした。今回は社会人が指導者です。この差が大きかった。教え方も、求められる完成度も、まるで違いました。

「社会人の本気」を目の当たりにした、というのが正直な感想です。ただ、これは悪い意味ではありません。本気の集団だからこそ、下手なりに食らいついていく気持ちになれました。

そして――日々練習していたら、ちゃんと踊れるようになりました。 ここは断言できます。

練習は週2回・体育館・仕事終わり

項目内容
頻度週2回
場所体育館(夜)
時間帯仕事終わりの夜
参加率飲み会以外はほぼ全参加

学生時代は週1回だった記憶があるので、社会人チームのほうがむしろ密度が高かったです。夜の体育館に集まって練習する形式は、日勤の仕事終わりに直行できるので非常に助かりました。

仕事との両立:有給は「0日」で参加できた

これは条件次第なので、正直に書きます。

僕は今回、日勤常勤の勤務形態でした。夜勤がなく、練習はすべて仕事が終わってから。結果として、有給休暇は1日も使いませんでした。

逆に言えば、夜勤のあるシフト勤務だと週2回の練習に全部出るのは難しいと思います。ただ、チームには県外から有給を使って通っている方もいました。全部出られなくても、参加している人はちゃんといます。

大阪から参加されている方は、LINEで送られてくる練習動画を見ながら自主練をしていました。今は動画で振りを確認できる時代です。これは本当にすごいことだと思います。


実際にかかったお金と、必要だった持ち物

費用

項目金額
参加費30,000円
水分代(本番・練習合わせて)数千円程度
衣装参加費に含まれ、支給された

衣装は支給されました。しかも、手作りだと聞いて驚きました。この話を聞いたときに、このチームの熱量を初めて肌で理解した気がします。

持ち物

  • 鳴子(練習用) ── 僕は24年前の鳴子を持っていって使いました
  • 体育館シューズ ── 練習は体育館なので必須
  • 水分(多めに)
  • 塩タブレット・経口補水液
  • 汗を拭くタオル、着替え

必要なのは、あとは気持ちだけです。本当に。


【看護師として断言する】40代が本当に気をつけるべきは「体力」より「暑さ」

ここが、この記事で一番読んでいただきたいパートです。

体力は「落ちている」前提で臨んだほうがいい

看護師として日々働いているので、体力にはそれなりに自信がありました。

結果、だいぶ落ちていました。

これは素直に認めます。学生時代は若さで乗り切っていた部分が、44歳には残っていません。ただ、練習を重ねれば身体はついてきます。問題は当日の環境のほうでした。

医療者こそ「暑熱順化」ができていない

看護師の仕事は、基本的に空調の効いた建物の中です。訪問看護なら話は別ですが、病院勤務だと日中に炎天下へ出ることはほとんどありません。

つまり僕らは、身体が暑さに慣れていない状態(暑熱順化ができていない状態)で、高知の真夏の屋外に出ることになります。しかも衣装を着て、全力で踊りながら。

これは、想像よりはるかに過酷でした。

実際に、手がしびれかけました

本番中、手にしびれを感じました。

「これはまずい」と思いました。しびれは、脱水と電解質バランスの乱れが進んだときに出るサインです。すぐに給水車が来てくれて助かりましたが、あのまま踊り続けていたら危なかったと思います。

そのあとは、塩分タブレットとスポーツドリンクをとにかく飲みました。

40代のための熱中症・脱水チェックリスト

踊る前に、これだけは頭に入れておいてください。

  • 喉が渇く前に飲む。 渇いた時点ですでに脱水は始まっています
  • 水だけでは足りない。 大量に汗をかくときは、塩分と電解質を一緒に補給する(経口補水液・塩タブレット)
  • 前日から水分を入れておく。 当日の朝からでは間に合いません
  • こんな症状が出たら即中断する ── 手足のしびれ、こむら返り、めまい、吐き気、頭痛、汗が急に止まる
  • 「まわりに迷惑をかけたくない」で我慢しない。 途中で倒れるほうが、はるかに大きな迷惑です

これは、よさこいに限らず夏場の屋外イベント全般に言えることです。特に40代以降は、若い頃の感覚を基準にしないでください。

膝は「守る」もの

僕が毎回欠かさなかったのが、膝のストレッチです。

よさこいは、屈伸と跳躍を延々と繰り返します。膝を痛めたら、その時点で終わりです。練習前後のストレッチだけは、どんなに疲れていてもやりました。結果として、最後まで踊りきれました。


県外・一人参加でも溶け込めた理由

僕が一番不安だったのは、体力よりもむしろこちらでした。

出来上がったコミュニティの中に、知らないおっさんが一人で入っていく。 受け入れてもらえるのだろうか、と。

結論、杞憂でした。理由は3つあります。

1. スタッフの対応がアットホームだった

初日から、向こうから声をかけてくれました。「はじめまして」の壁を、チーム側が先に壊しにきてくれる感じです。

2. 本番前に、一度だけ飲み会があった

コミュニティセンターでの飲み会が一度ありました。これが大きかった。踊りの練習だけだと、どうしても会話が生まれません。一度でも一緒に飲むと、翌週から距離が変わります。

職場以外のコミュニティを持つことの大切さを、44歳にして改めて実感しました。看護師の人間関係は、どうしても職場に閉じがちです。まったく別の場所に居場所があるだけで、日々の見え方が変わります。

3. そもそも、県外から来ている人が珍しくない

大阪から来られている方もいました。「わざわざ県外から」と思っていたのは自分だけで、チームからすればよくあることだったんです。

「知り合いが一人でもいたらいいのにな」とずっと思っていましたが、参加した時点で、全員が知り合いになりました。


踊り終えて感じた、高知よさこいの本当の魅力

2日間、踊りました。

1日目が終わった夜、疲れているはずなのに興奮して眠れなかったのを覚えています。あんな感覚は久しぶりでした。

沿道の声援は、場所によっては少ないところもあります。でも最後の会場は人でいっぱいで、あの熱気の中で踊れたことは、はっきりと記憶に残っています。

そして何より、チームが一丸になっている感覚。手作りの衣装、地方車(じかたしゃ)にかける思い。話を聞けば聞くほど、この祭りが「見るもの」ではなく「作るもの」だと分かってきました。

終わったあとには花火が上がっていましたが、僕は翌日があるのですぐ帰りました。44歳だからではなく、たぶん若くても帰ったと思います。それくらい、全力で踊っていました。

2日間踊り切り、忘れられない夏になりました。

さらに、このときの様子は高知新聞にも掲載されました。

当時の雰囲気はこちらの記事でもご覧いただけます。

▶ 高知新聞の記事はこちら

(URL)https://www.kochinews.co.jp/article/detail/1031054


これから参加したい方へ:よくある質問

Q. 完全な初心者でも参加できますか? A. できます。僕自身、24年ぶりで初練習はまったく踊れませんでした。それでも本番までには踊れるようになりました。必要なのは経験ではなく、練習に通う時間です。

Q. 40代・50代でも浮きませんか? A. 浮きません。僕より明らかに年上の方が普通に踊っていました。年齢を気にしているのは、たいてい自分だけです。

Q. 一人での参加は浮きますか? A. 浮きません。チーム側は新しい踊り子を歓迎しています。むしろ立ち上げから年数の浅いチームを選ぶと、より入りやすいです。

Q. 費用はどのくらい必要ですか? A. 僕の場合は参加費30,000円と、水分代くらいでした。衣装は支給でした。チームによって差があるので、申し込み時に必ず確認してください。

Q. 練習にはどのくらい行く必要がありますか? A. 僕のチームは週2回、夜の体育館でした。県外の方は動画で自主練しつつ、行ける日に通うという形をとっていました。

Q. 仕事を休む必要はありますか? A. 僕は日勤常勤だったので、有給は0日でした。シフト勤務の方や県外の方は、有給を使って参加されている方もいました。

Q. 一番きついのは何ですか? A. 暑さです。体力ではありません。脱水対策だけは、本気で準備してください。


まとめ:一歩の勇気があるかどうか、それだけでした

24年ぶりに鳴子を握って分かったことを、最後にまとめます。

  • 年齢は関係なかった。 自分より年上の人が普通に踊っていた
  • 県外・一人でも入れた。 新しいチームほど入りやすい
  • 仕事とも両立できた。 日勤常勤なら有給0日で完走できる
  • お金は参加費3万円程度。 想像していたより現実的だった
  • 唯一の本当の敵は暑さ。 40代は脱水対策を絶対に甘く見ないこと
  • 新しい友達ができた。 職場以外の居場所は、思っていた以上に人生を面白くする

高知に来て、まさか自分が看護師としてこの街に戻り、もう一度踊ることになるとは思っていませんでした。仕事だけでは、この夏は終わっていたはずです。

学生の頃に踊ったきり、時間がなくて遠ざかっていた方。「今さら遅いかな」と思っている方。

怖いかもしれませんが、挑戦してみるのは一つの手です。

必要なのは、参加費と、膝のストレッチと、あと少しの勇気だけでした。