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※本記事にはPRを含みます。インタビューは個人の体験談であり、条件や待遇は地域・時期により異なります。
「レントゲン技師って、ボタンを押しているだけ?」
「診療放射線技師は稼げないって本当?」
今回は、診療技師として20年のキャリアを持つベテランの方に、現場のリアルな声を聞きました。年収の天井、キャリアパス、転職事情、そして治療現場のやりがいや装置更新の課題まで、教科書には載らない情報をまとめてお届けします。
診療技師は本当に「稼げない」?年収と離職のリアル
1. 看護師との比較に見る「離職率」と「再就職」
- 診療技師:離職率は低めだが、再就職は限られる。若手優遇・大病院での採用が中心。整形外科クリニックなどでは医師が自ら撮影するケースも多く、就職口が少ない。
- 看護師:離職率は高いが、再就職は容易。出産・育児後も復帰でき、再就職支援も豊富。
👉 診療放射線技師は「辞めにくい」一方で「戻りにくい」職種と言えます。←戻りにくいから辞めない可能性もある
2. 診療技師の「年収の天井」
インタビューでは「年収600〜650万円が上限」という声がありました。
詳細は日本診療放射線技師会の調査結果をご覧ください
昇給は限定的で、仕事の負担に対して給料が頭打ちになる感覚を持つ人が多いようです。

勤務先にもよるが、管理職である技師長(課長)などへの昇進等で金額ではもっと上にいけるかも!
- 年収を上げる方法
- 転職エージェントを利用して条件交渉
- 専門技師資格を取得してキャリアアップ
- 学会発表やSNS発信で可視化 → ヘッドハンティングを狙う
放射線技師のキャリアパス
放射線技師の仕事は「レントゲンやCT撮影」だけではありません。
1. 専門性を磨く
- 放射線治療:がん治療の三本柱の一つ。医師が線量処方を決め、技師が固定具作成・照射を担当。数週間にわたり患者と関わるため「ありがとう」と感謝されやすく、やりがいが大きい。
- 専門技師資格の取得:治療や核医学などの資格を取るとキャリアの幅が広がる。
2. 異業種への転身
- メーカー勤務:アプリケーション担当として装置の使い方を病院に指導。
- 教育・研究:大学院に進み博士号を取得すれば、技師養成校の教員や研究職に進める。
女性技師が増加!採用の現状と展望
歴史的には男性優位でしたが、現在は男女比がほぼ半々に。
- 背景:マンモグラフィー(乳がん検診)の需要増加
- 現状:男性が乳房撮影を行うケースはほぼなく、女性技師が有利
- 将来:採用時に「マンモ対応できる女性」が優遇される傾向が続く見込み
放射線治療と粒子線治療の違い
X線治療
- 深部に進むほど線量が減衰する
粒子線治療(陽子線・重粒子線)
- ブラッグピークという現象で、腫瘍の深さに合わせて線量を集中できる
- 陽子線は水素原子核、重粒子線は炭素イオンを使用
- 重粒子線は加速器が巨大で、設備コストも莫大
👉 最近はX線装置の性能も進歩しており、費用対効果では粒子線が課題とされています。
国立がん研究センター「粒子線治療とは」
装置更新の課題と費用問題
放射線治療装置の寿命は約15年。
- 過去:2〜3億円
- 現在:5億円前後に高騰(インフレ・輸入依存の影響)
経営的に導入を断念する病院も出ており、大規模がんセンター以外での継続は難しいという声もありました。
診療技師の夜勤・働き方の実態
夜勤の有無は勤務先次第で大きく変わります。
- 三次救急の大病院:夜勤は非常に忙しく、2人当直もあり
- 中規模病院:夜勤はあるが、状況によっては寝当直の日もある
- クリニック:夜勤なし・呼び出し対応のみ
発言者は「夜勤なしの勤務」に転職し、ワークライフバランスが改善したと話していました。
診療技師を目指すあなたへ
「天職ではない」と語りながらも、20年間続けてこられたのは、
- 資格としての安定性(手に職を持てる)
- 患者さんの感謝の言葉
この2つが大きな理由だそうです。
放射線技師は決して楽な仕事ではありません。
しかし、専門性を磨き、自分のキャリアを戦略的に設計すれば安定した働き方が可能です。
これから放射線技師を目指す方は、
- 年収の上限を理解しつつ、
- 専門性をどこで磨くかを考え、
- 将来のキャリアを逆算することが大切です。
まとめ
診療技師は、診断から治療、研究・教育、メーカー勤務まで幅広いキャリアを歩める一方、再就職口の少なさや装置更新の費用問題など、現場ならではの課題もあります。
今後のキーワードは
- 女性技師の増加と採用傾向
- 粒子線治療とX線治療の費用対効果
- 専門性を持つ人材への需要拡大
「稼げない」と言われることもある放射線技師ですが、キャリアの設計次第で大きく未来は変わります。