
初めての職場。
「こんなはずじゃなかった…」
理想と現実のギャップに戸惑い、数ヶ月、あるいは1年足らずで「転職」という言葉が頭をよぎることはありませんか?
その気持ち、痛いほどわかります。
新人看護師なら、一度や二度はピリピリした詰所の空気に緊張したことがあるはず。
私も新人の頃、ヒヤリ・ハット報告を書いた経験があります。
たとえば、こんな出来事がありました。
ある準夜勤のときのこと。
ステロイドの指示が入りましたが、いつもと違う薬で、しかも用量が明らかに多い。
夜勤体制で薬剤師もおらず、どうしても不安だった私は、口頭ではなく明確な指示を再度お願いし、医師に確認を取りました。
それでも「間違いない」と言われ、私はダブルチェックのうえ投与しました。
しかし数日後、その医師から「過剰投与だった」と報告がありました。
驚いたのはその後です。
ご家族の方は激怒し、医師の上司が説明にあたったそうですが、説明内容は「看護師とのコミュニケーション不足が原因」というもの。
「それって、もう看護師のミスってことだよね…?」
そう感じた瞬間、私は深く傷つきました。
たとえ確認しても、最終的に投与したのが看護師なら責任を問われる。
誰も守ってくれない職場で働くことが、急に怖くなったのを覚えています。
閉鎖的な空間で働く看護師にとって、「人間関係」こそが働きやすさのすべてといっても過言ではありません。
でも当時の私は、「耐えることこそ新人の使命」だと信じていました。
もちろん、自分に合った職場でいきいきと働いている同期もいます。
でも、私のように「どうしても合わない」環境に苦しんでいる人もきっといるはず。
「看護師を続けていくのが怖い」
そう思った瞬間が何度もありました。
もしあなたが今、悩みの中にいるのなら、どうか最後まで読んでみてください。
「自分だけじゃない」と思えるだけでも、きっと少し心が軽くなるはずです。
短期間で転職を繰り返すのは悪いこと?「学びの蓄積」として活かす考え方

【結論】あなたを守ってくれる医療機関はたくさんあります。
新人看護師の頃よりは多少なり臨床経験はあります。いろんな職場や上司、医師と一緒に働いてきました。看護師としての葛藤やブラック病院で理不尽な思いもしました。
でも、病院ホームページを閲覧し就職面接後、内定通知が届いき自分の意思で働きいますよね?今勤めている医療機関にお願いをして働かさせてもらっています。嫌なら違う職場で働く選択肢は頭の片隅に置いておくべきです。
心から看護って楽しいって思える職場で働きませんか?
「私,いろんな病院にいたことがあって,ルーチンワークしかしない病院があった.患者さんのそ
ばに寄り添って話を聴くことはなくて,毎日定時で帰ったんですけど.虚しくて.今は残業多いけ
ど,満足感がある」引用)職場での体験を語ること
―グループを通した中堅看護師の感情知性(EI)の育成―
先輩たちも転職し違う環境で働くから分かることもあるのよ!
でも…

「短期間で何度も職場を変えるのは、キャリアにとってマイナスなのではないか…」
多くの新人看護師が抱えるこの不安。
確かに、一般的には長く一つの職場で経験を積むことが推奨されることが多いかもしれません。
しかし、早期の離職は、必ずしもキャリアの停滞を意味するわけではありません。大切なのは、その経験から何を学び、次にどう活かすかという視点です。
例えば、複数の職場で短期間働いた経験は、様々な医療現場の実際や、異なる看護チームの働き方を肌で感じる機会になったはずです。それぞれの職場で、良かった点、改善点、自分に合う環境、合わない環境など、多くの気づきがあったのではないでしょうか。
これは、一つの職場で長年働いているだけでは得られない貴重な学びと言えるでしょう。
次の転職の面接では、

「なぜ短期間で転職を繰り返してしまったのか」
と問われる可能性は十分にあります。
その際に重要なのは、言い訳をするのではなく、過去の経験から得た具体的な学びを誠実に伝えることです。

「〇〇病院では、△△という経験を通して、□□という知識やスキルを習得しました。しかし、私のキャリアプランとしては、より〇〇に特化した環境で働くことを希望しており、貴院の理念や専門性に強く共感しました」
のように、前向きな言葉で、学びを次のステップへの動機に繋げることが大切です。
「転職多い」という事実を、多角的な視点を持つことや、変化への適応力としてアピールすることもできるでしょう。
短期間の転職を繰り返す前に考えたい「自分の価値観」の整理

短期間での転職を繰り返してしまう背景には、
「自分にとって本当に大切なものは何か」
という価値観が明確になっていないことが考えられます。
ただ単に新しいことにチャレンジしたいと伝えてしまうと採用担当者は新しいことにチャレンジして合わなかったら辞めるだろうなぁ…と思われてしまいます。
採用担当者に一緒に働きたいと思ってもらう必要があります。
職場環境、人間関係、給与、福利厚生、キャリアアップの機会、ワークライフバランスなど、看護師として働く上で重視する要素は人それぞれ異なります。転職を繰り返す前に、一度立ち止まって、自分自身の価値観を深く掘り下げてみることが大切です。
ノートやメモ帳を用意し、
「仕事をする上で絶対に譲れないこと」
「これがあるとモチベーションが上がるもの」
「逆に、これがあるとストレスを感じるもの」
などを具体的に書き出してみましょう。
例えば、
「チームワークを重視したい」
「専門性を高められる環境で働きたい」
「プライベートの時間をしっかり確保したい」など、様々な価値観が見えてくるはずです。

私の場合は…
『人間関係が良好』
『入退院が少ない』」
『詰所がピリピリしていない』
『日勤のみで給料はそこそこでOK!』
『副業可!空いた時間を作業時間にする♪』

この自己分析を通じて、
過去の転職理由を客観的に捉え直すことができます。
「〇〇病院を辞めたのは、△△という価値観が満たされなかったからだ」
というように、明確な理由が見えてくると、次の職場選びの軸が定まります。
面接の際には、
「前職では〇〇という経験を通して、私自身は△△という価値観を大切にしていることに気づきました。貴院の〇〇という点に魅力を感じ、私の価値観と合致すると考えています」
と、自己分析に基づいた志望動機を語ることで、採用担当者に納得感を与えることができるでしょう。
「転職多い」
という過去の経験を、自己理解を深めるためのプロセスとして捉え、成長の糧にすることが重要なのです。
短期間で転職を繰り返す人ほど必要!「転職の目的」を明確に持つコツ

短期間で転職を繰り返してしまう原因の一つに、
「何のために転職するのか」
という目的が曖昧なまま、目の前の不満から逃れるように行動してしまうことが挙げられます。
転職は、あくまで目標を達成するための手段です。
行き当たりばったりの転職を繰り返すのではなく、長期的なキャリアプランを見据え、そのために必要なステップとして転職を捉えることが重要です。
まずは、「5年後、10年後、自分はどのような看護師になっていたいか」という理想の姿を具体的にイメージしてみましょう。
専門性を追求したいのか、管理職を目指したいのか、特定の分野で患者さんのケアに深く関わりたいのか——。
目標が明確になれば、その目標を達成するために、今どのような経験やスキルを身につけるべきかが逆算できます。
そして、今回の転職で「何を達成したいのか」という短期的な目的を具体的に設定しましょう。
「〇〇のスキルを習得したい」
「△△という分野の経験を積みたい」
「よりチームワークの良い環境で働きたい」など、
具体的な目的を持つことで、転職活動の軸が定まり、ミスマッチを防ぐことができます。
面接では、「今回の転職を通して、〇〇という目標を達成したいと考えています。貴院の〇〇という点に魅力を感じ、私の目標達成に貢献できると考えています」と、明確な目的意識を持って語ることで、採用担当者にあなたのキャリアに対する真剣な姿勢を示すことができます。
「転職多い」という過去の経験も、「目標達成のために必要なステップだった」と前向きに捉え、将来への展望を語ることが大切です。
短期間で転職を繰り返してもOK!「小さな成功体験」で自信を育てる方法
短期間での転職を繰り返すと、「またすぐに辞めてしまうのではないか」という不安感に苛まれ、自信を失ってしまうことがあります。しかし、過去の職場での経験の中にも、小さな成功体験は必ずあったはずです。例えば、「患者さんの急変に冷静に対応できた」「先輩看護師から褒められた」「新しい技術を習得できた」など、些細なことでも構いません。
これらの小さな成功体験を意識的に振り返り、記録に残していくことで、「自分にもできることがある」という自信を取り戻すことができます。成功体験を積み重ねることで、自己肯定感が高まり、次の職場でも積極的にチャレンジする意欲が湧いてくるでしょう。
面接では、「前職では、〇〇という状況で△△を行い、患者さんの状態改善に貢献することができました。この経験を通して、〇〇というスキルに自信を持つことができました」のように、具体的なエピソードを交えながら、成功体験を語ることが重要です。
私の場合は、脳神経外科から精神科に転職したときは
「看護学生の時に実習でお世話になりました。実習担当者の方が丁寧にアドバイスをくれたのを覚えています。
記録で振り返り次の日に現場で患者さんとしっかり向き合い関わることができたのを覚えています。
診療科が違うので、看護に求められているものは違います。しかし、私は患者さんのペースで看護ができる精神科を選びました。

特定行為研修を終了した先輩看護師さんも悩みます!新人だけが特別じゃないですよ!
チェックポイント
「転職多い」という過去の経験も、「様々な環境で成功体験を積み重ねてきた」というポジティブな視点に転換することができます。小さな成功体験を自信の源泉とし、次のステップへと繋げていきましょう。
短期間で転職を繰り返す人が実践すべき、前向きマインドセットの保ち方
短期間での転職を繰り返すと、周囲の目や評価を気にしてしまい、ネガティブな感情に囚われがちです。しかし、過去の経験を未来への糧とするためには、前向きなマインドセットを保つことが不可欠です。
まずは、
「過去は変えられないが、未来は変えられる」
という意識を持つことが大切です。過去の離職理由を深く反省し、そこから学びを得たら、次に目を向けましょう。
また、SNSなどで同世代の看護師の活躍を目にすると、焦りや不安を感じてしまうことがあるかもしれません。しかし、他者と比較するのではなく、「過去の自分と比べて成長しているか」という視点を持つことが重要です。
さらに、信頼できる先輩看護師やキャリアカウンセラーに相談することも有効です。客観的な視点からアドバイスをもらうことで、新たな気づきが得られたり、不安が軽減されたりすることがあります。
面接では、過去の離職経験について聞かれた際に、後ろ向きな言葉ではなく、「〇〇という経験を通して、△△という課題が見つかり、現在は〇〇という意識を持って取り組んでいます」のように、反省と成長への意欲を示すことが大切です。「転職多い」という過去を、自己成長のための貴重なプロセスだったと捉え、前向きな姿勢で面接に臨みましょう。
まとめ:短期間で転職を繰り返してきた経験を、前向きに活かす方法とは?

短期間で転職を繰り返してきた経験は、決してマイナスばかりではありません。様々な現場を経験したことで得られた多角的な視点、変化への適応力、そして自分自身の価値観への深い理解は、あなたの大きな強みとなり得ます。
大切なのは、過去の離職理由をしっかりと分析し、そこから得た学びを次のステップに活かすこと。「なぜ転職を繰り返してしまったのか」「次の職場では何を求めているのか」「過去の経験から何を学んだのか」を明確にすることで、自信を持って面接に臨むことができるはずです。
面接では、「転職多い」という事実を隠すのではなく、正直に伝え、その経験を通して得た学びや成長、そして今後のキャリアプランを具体的に語りましょう。過去の失敗を反省し、未来に向けてどのように成長していきたいかを伝えることで、採用担当者にあなたの成長意欲と真剣な姿勢を示すことができます。
短期間での転職は、決して悪いことではありません。その経験を「学びの蓄積」と捉え、前向きなマインドセットで次のステップへと進んでいきましょう。あなたのこれまでの経験は、必ず次の職場で活かされるはずです。自信を持って、新たな一歩を踏み出してください。
