※本記事にはPRを含みます

「日勤が押して帰宅は19時。子どもの寝かしつけをして、23時半には深夜勤へ——」
ママナースなら、胸がギュッとなるような時間の切り貼りを、一度は経験したことがあるかもしれません。
今回お話を伺ったのは、看護師歴19年・3児のママとして走り続けてきた、お田中さん。
新人時代は希望と違う手術室配属で孤独を感じ、産休・育休明けは外科病棟で三交代。家庭と仕事の両立に悩みながらも、退院支援に関わるほど「在宅のことを知らないまま『家に帰りたい』に答えられない」と思うようになり、訪問看護へ転職しました。
この記事では、お田中さんのリアルな経験をもとに、
- 三交代×育児が限界だった「地獄のタイムライン」
- 希望が通らない配属と、心が折れそうだった新人時代
- 3回の転職でブレなかった条件
- 訪問看護で変わったこと(直行直帰/ICT/休み/オンコール)
- ブラック回避の「見極めチェック」
- 「独り立ちできない」と悩む新人さんへ
を、読みやすく整理してお届けします。
※本記事はインタビュー内容をもとに、個人や職場が特定されないよう一部表現を調整し再構成しています。
ちなみに、お田中さん自身が「ママナースが両立しやすい働き方」を働き方別にまとめた記事もあります。
→ あわせて読みたい:『3児のオカンが関西弁で語る訪問看護・子育て・副業|お田中の訪問看護でええ感じの毎日』
この記事でわかること
- 三交代×育児は回らない理由
- 転職で優先すべき条件の決め方
- 訪問看護の働き方の具体(直行直帰・タブレット・休みの柔軟性)
- 訪問看護の職場選びで外せない質問
1. 三交代×育児の限界。実家頼みの「時刻(地獄)」タイムライン

お田中さんが

「一番きつかった」
と振り返るのは、第1子の育休明け、外科病棟で三交代をしていた時期。
当時の流れ(ご本人談)
- 日勤が終わらず、帰宅は19時ごろ
- 子どもの迎え・ご飯・お風呂は、実家にほぼお願い
- 帰宅後、少し食べてから1歳児の寝かしつけ
- やっと寝たと思ったら、23時半には深夜勤へ出発
- 赤ちゃんが起きたら「ママがいない」で泣くこともあり、実家にも負担が大きかった

「若さで乗り切った」
と笑って話してくれたお田中さん。
でも裏を返すと、
誰かの支えがないと成立しない働き方
だったとも言えます。
ここで大事なのは、根性の話じゃないこと。
家庭がある人ほど、仕事のしんどさは時間と体力の物理で限界が来ます。
実際、看護師のバーンアウトに関する研究(塚本ら, 2007)では、「身体的な疲労度」はバーンアウト(燃え尽き症候群)の非常に強い要因であることが示されています。三交代という過酷なリズムに育児が加わることは、心理的なストレス以前に、身体的な限界から「心が折れる」仕組みになっているのです。
2. 希望が通らない配属、孤独な新人時代。それでも「意味」に変わるまで
新人時代、お田中さんは外科病棟を希望していました。
しかし実際は、病院から告げられたのが手術室(オペ室)配属。
当時つらかったこと
- 同期は病棟配属。自分だけ手術室で、孤独感が強かった
- 研修は病棟中心(点滴・陰部洗浄など)で、手術室の実務と噛み合わない
- 麻酔器など「必要な学び」が不足している感覚があった
- 「外科の中の外科=オペ室」という説明に、納得しきれない気持ちが残った
それでも、19年経った今はこう言います。

「2年しかいなかったけど、あれは良い経験だった」
いましんどい最中にいると、経験はただの傷になる。
でも時間が経って、経験は武器に変わることがある。
この言葉は、いま悩んでいる新人さんほど刺さるはずです。
3. 「理想」より「現実」。3回の転職でブレなかった戦略
お田中さんの転職は、びっくりするほど現実的でした。
たとえば転職の面接で、外科を希望すると
「外科は残業が多くて帰れない。独身が多い」と言われたことがあったそうです。
そこでお田中さんが取った行動がこれ。

「この病院で一番早く帰れる病棟はどこですか?」
→ 返ってきた答えが整形で、迷わず選択。
きれいごとじゃなく、まず家庭が回る条件を確保する。
結果として、この判断がキャリアを折らないことに繋がっていました。
4. 訪問看護へ転身した理由は「前向き」と「限界」の両方
訪問看護を選んだ理由は、2つありました。
前向きな理由:在宅を知らずに「家に帰りたい」に答えられない
病棟では「家に帰りたい」と言う患者さんが多い。
でも在宅の仕組みも生活も知らないまま、「帰りましょう」とは言えない。
だから、一度ちゃんと見て学びたいと思った。
もう一つの理由:身体抑制や命令的な空気への疲弊
身体抑制への葛藤、同僚の命令的な言い方や口の悪さ。
環境が合わないことが、じわじわと心身に影響していた。
「好きな仕事」を続けるために、
合わない環境から離れる判断は、弱さではなく調整です。
5. 訪問看護のリアル。病棟では得られなかった「余白」と「裁量」

お田中さんの現在の働き方は、具体的にこうです。
- 直行直帰:可能
- 訪問件数:1日6件前後
- 記録:タブレット対応
- 勤務時間:1日7.5時間
- 給与:前職(日勤常勤=1日8時間勤務)と同程度の基本給
- オンコール:月2回(管理者と相談して調整)/出動はまだなし
- ターミナル:現時点では担当なし
- 子供の行事や旅行などで連休を取る常勤者も
「休み希望が何個まで」という縛りが強くない。
この柔軟性は、子育て世代にとってはかなり大きいポイントです。
訪問看護の仕事内容を公的な情報でも確認したい方は、こちらも参考になります。
→ 訪問看護の仕事とは?(全国訪問看護事業協会)
6. 最大のギャップは技術ではなく「考え方」だった
訪問看護で感じたギャップは、手技よりも思考の切り替え。
病棟は「絶対的な管理」になりやすい。
でも在宅は「その人ができる範囲の管理」。
内服が完璧じゃない。塩分指導が守られない。
病棟なら是正に寄りがちなことも、在宅では生活の一部として向き合う必要がある。
お田中さんは、こう話していました。
- 指導ベースになってしまう自分を反省している
- まず寄り添う、を意識している
- 「できる範囲の管理」へ頭を切り替えるのが今の課題
ここができる人は、在宅で強い。
そして「できない」時期があるのも自然です。
7. ブラック回避!お田中流「失敗しない見極めチェック」

訪問看護は、事業所によって環境差が大きい。
だからこそ、入職前に質問で守れます。
地雷回避チェック(面接・見学・エージェントで確認)
- 同行の回数:最低でも「複数回の同行」があるか(例:3回程度)
- 一人立ちの基準:いつ・何をもって独り立ちになるのか
- 情報共有の仕組み:アプリ/記録の方法/緊急時の連絡経路
- 離職の傾向:短期離職が多い理由は何か(聞ける範囲で)
- オンコールの実態:頻度・出動の有無・代替体制
さらに、インタビュアー側の経験として出ていたのが、エージェントへの質問。
- 「入職後1年以上続けている方はいますか?」
- 「入職後、6か月以内で辞めた人がいるなら、どんな理由でしたか?」
言いやすいことから聞いて、最後に言いにくいことを聞く。
この順番は、かなり実用的です。
8. 「独り立ちできない」と泣いているあなたへ
いま検索窓に
「看護師 向いてない」
「独り立ち できない」
と打っている人へ。
お田中さん自身も、新人時代は希望と違う配属で孤独を感じ、研修のミスマッチに悩んだ経験があります。
そして訪問看護でも「単独判断の怖さ」はあり、必ず誰かに確認していると話していました。
つまり——

「一人で抱えないこと」は、甘えじゃなくて技術。
確認できる力、助けを求められる力は、プロのスキルです。
環境が無理ゲーな可能性もあります。
あなたの価値を決めるのは、今の配属や空気じゃありません。
よくある質問(FAQ)

Q. 訪問看護は子育てと両立しやすい?
A. 職場差はありますが、直行直帰・ICT記録・休みの柔軟性がある環境だと両立しやすい例がありました。
Q. オンコールが不安です。
A. お田中さんは管理者と相談し、月2回に調整。出動は現時点でなし、という状況でした。頻度・出動実態・バックアップ体制は事前確認が大切です。
Q. 病棟から訪問へ行くギャップは?
A. 技術より考え方のギャップが大きい、とのこと。絶対的管理から「生活に合わせた関わり」へ切り替えが必要になります。
まとめ:自分と家族を救えるのは、あなたの「環境調整」
お田中さんの物語は、こう言い換えられると思いました。
「看護師という仕事は好き。でも、今の働き方が合わない。」
もし今の環境があなたを削り続けているなら、
それは「逃げ」じゃなくて「調整」です。
最初の一歩は、大きくなくていい。
「家から近い」
「早く帰れる」
「残業が少ない」
この生活が回る条件から、未来を作り直せます。