※本記事にはPRを含みます

※本記事は薬剤師として働く方の体験談に基づいた一般的な情報です。条件・待遇は地域や企業により異なります。転職・就職の最終判断は必ずご自身の責任でお願いします。
「薬剤師って病院・調剤薬局・ドラッグストア、どこで働くのが正解なんだろう?」
薬学生や転職を考える薬剤師なら、一度は悩むテーマではないでしょうか。
病院は専門性を深められるけれど給料は低め。
調剤薬局は安定感があるけれど、やりがいに欠けると感じる人も。
一方ドラッグストアは高収入が魅力ですが、「本当にやっていけるのか?」と不安に思う声も少なくありません。
今回はドラッグストアで複数店舗を統括する現役薬剤師にインタビュー。
「給料のリアル」「職場ごとの向き不向き」「新人がつまずきやすいポイント」「今後の薬局業界の行方」まで、本音で語っていただきました。
薬学生や転職を考えている薬剤師の方にとって、キャリアの選び方を考えるヒントになるはずです。
この記事でわかること
・ドラッグストア・病院・調剤薬局の給料の違い
・ドラッグストアを選んだ理由と仕事の本音
・向いている人・新人薬剤師へのアドバイス
・薬局経営と今後の業界の見通し
1. 薬剤師の就職先はどこがいい?3つの職場の違い
病院・調剤薬局・ドラッグストアの給料を比較

平均的な年収の目安は以下の通りです。
- 病院薬剤師:500万円前後
- 調剤薬局:550万円前後
- ドラッグストア:600万円前後
病院とドラッグストアでは約100万円の差があり、給与面ではドラッグストアが優位といえます。
出典:厚労省の統計情報(賃金構造基本統計調査)
https://www.mhlw.go.jp/content/10200000/001211756.pdf
「まず病院で学んだ方がいい?」への本音
病院はカルテを通じて病態を学べるため、専門性を高めたい人には向いています。
ただし「稼ぐ」観点では必ずしも有利とは限りません。専門資格を取っても給与に直結しにくいためです。
給料が同じならどこを選ぶ?

「それでもドラッグストアを選びます」
インタビュイーはこう答えました。患者対応よりも物販や売上管理の楽しさに魅力を感じ、現在は複数店舗を統括する立場でやりがいを感じているそうです。
一方で「もっとゆるく、のんびり働きたい」という方もいますよね。
👉 薬剤師で“のんびり働きたい”人は必見!|ゆるく働ける職場と転職のコツを解説!
2. ドラッグストアを選んだ理由と仕事のリアル
薬剤師になったきっかけ
母親が薬剤師だった影響で、自身も薬剤師を目指したとのこと。
ドラッグストアを選んだ最大の理由「給料」
就職先にドラッグストアを選んだ一番の理由は、やはり給料でした。
「OTC販売や幅広い業務に携われる」といった建前はあるものの、本音は「給料の良さ」が大きいそうです。
調剤だけでは感じられなかった楽しさ
調剤業務だけをしていた頃は仕事の面白さを感じにくかったそうですが、ドラッグストアで売上や数字を追う業務に携わることで楽しさを見出せるようになったそうです。
3. 薬剤師の進路と向き不向き

卒業生の就職先の割合(調剤・病院・ドラッグストア・企業)
正確な統計は不明ですが、調剤薬局に就職する人が最も多いといわれています。
インタビュイーの研究室では以下の進路でした。
- ドラッグストア:2人(20~30%)
- 調剤薬局:6人
- 病院・企業:残り数名
ドラッグストアに向いている人の特徴
- 要領がよく臨機応変に対応できる人
- 学生時代にアルバイト経験が豊富な人
職場ごとの薬剤師タイプ
- 調剤薬局:普通の人が多い
- 病院:研究熱心で真面目な人が多い
- 企業(MRや営業):コミュニケーション力が高く陽気な人が多い
職場の選び方は、結婚や同棲などプライベートにも大きな影響を与えます。
👉 看護師×薬剤師のリアル——医療職同士の結婚・同棲でぶつかる壁と乗り越え方【体験談:薬剤師Bさん夫婦】
4. 新人薬剤師が知っておくべきこと
最初につまずく「保険の知識」
新卒薬剤師が最初に苦戦するのは保険制度です。
薬の知識は豊富でも、加算やルールの理解には1年ほどかかることも。
ただしドラッグストアは過去の指導資料が豊富で学びやすい環境があります。
ドラッグストアで評価される3つの力(国語・算数・道徳)
- 国語:引き継ぎなどで正しく伝える文章力
- 算数:加算目標を数値化し行動に落とし込む力
- 道徳:人のために働く姿勢
この3つを意識するだけで評価が高まり、管理薬剤師への道も開けます。
6年制卒と4年制卒のギャップ、先輩との関わり方
薬局業界が「対物」から「対人」へシフトする中、4年制卒は対応が難しいといわれています。
大手ドラッグストアではパート勤務の4年制卒が多く、新人が指導する立場になるケースもあるそうです。
目標を数字に落とすなら、可処分所得の最大化も同じ発想です。
▶︎ ママ薬剤師のパート設計:手取りを増やす“壁”の越え方
5. 「仕事が嫌い」でも続けられる?
数字を追う楽しさがキャリアにつながる
インタビュイー自身は「薬剤師の仕事そのものは嫌い」と話します。
しかし数字を追うこと(加算や売上)は好きで、それが評価につながり、エリアマネージャーに昇進しました。
会社の評価軸と自分の「好き」を重ねる方法
自分の得意分野や楽しさを会社のニーズと重ねることが、キャリアを築くうえで重要だと語っています。
6. 薬局経営と業界の未来
実家薬局の経営難とM&Aの現実
実家の薬局は門前クリニックの閉院により経営難に直面し、M&Aを検討中とのこと。
在宅医療やオンライン診療に対応していないと、生き残りは難しい状況です。
薬局2.0から3.0(在宅・施設・オンライン)へ
今後は「薬局2.0(門前薬局)」から「薬局3.0(在宅・施設・オンライン対応)」へのシフトが不可欠とされています。
これは大きな変化であると同時に、次世代にとってのビジネスチャンスでもあります。
薬学生へのメッセージ:変化の時代はチャンス
薬学生は大きな変化の中におり、挑戦次第で新しいキャリアや働き方を切り開ける可能性があります。
まとめ|薬剤師キャリア選択のヒント
薬剤師としてのキャリア選択は、**「お金」「やりがい」「生活スタイル」**のどこを優先するかで大きく変わります。
- ドラッグストア:高収入で、要領よく働ける人に向く
- 病院:専門性を深めたい人にフィット
- 調剤薬局:安定志向の人におすすめ
- 未来:今後は「在宅・オンライン」への対応が生き残りのカギ
ここまで読んで「自分はどれに当てはまるだろう?」と考えた方は、ぜひ一度、
👉 紙に「給料」「やりがい」「生活」を優先度順に書き出してみてください。
たった5分でも、自分に合う職場がグッと見えてきます。
また、生活や家計の視点から働き方を見直したい方はこちらも参考になります。
キャリア選択は一人で悩むより、情報を集めて整理することで前に進めます。
あなたに合った働き方を選び、納得できるキャリアを築いてください。