※本記事にはPRを含みます
※本記事は、乳がんサバイバーの方へのインタビュー内容をもとに、個人が特定されないよう一部表現を調整し再構成しています。
※医療情報は体験談です。治療や薬の判断は必ず主治医に相談してください。
この記事でわかること
・トリプルネガティブ乳がんと伝えられた直後、何が起きたか
・抗がん剤のリアルな副作用(特に吐き気)と、実際にやった対処
・治療費の体感、高額療養費・傷病手当金など「お金と制度」の現実
・治療後の不調(肌荒れ・胃腸・腕の可動域)と、暮らしの変化
・闘病を経て変わった価値観と、最後に伝えたいメッセージ
インタビューした人
- 現在:40歳/夫と2人暮らし
- 発見・診断:38歳(市のマンモ検診対象外の年齢)
- 診断当時:契約社員(3ヶ月更新)でフルタイム勤務
- 乳がんのタイプ:トリプルネガティブ
- 治療:術前の抗がん剤 → 手術(全摘を選択) → 術後治療(治験参加)
- 放射線:実施なし(リンパ節切除が2個のため、結果的に不要に)
インタビューを受けたご本人(きなこみるくさん)が、ご自身のブログで詳しくまとめています
1. 乳がん発見のきっかけは「見覚えのないホクロ」だった
発見の瞬間は、入浴後に鏡を見ながら体を拭いていたとき。
左胸に見覚えのないホクロを見つけ、触ると「小さく硬い球状のしこり」があり、翌日に受診したそうです。
ポイントはここです。
- 痛みがなくても、違和感に気づけた
- 検診より前に、自己検診(セルフチェック)がきっかけになった
- 乳がん検診は40歳〜の自治体が多く(※地域差あり)、38歳当時は対象外だった
「たまたま気づけた」という言葉の裏に、日常で体に目を向ける習慣の強さがありました。
2. 告知直後が一番つらい…と思いきや細胞診・組織診(病理検査)の結果待ちが苦しかった
最初に行った検診クリニックでは、伝えられたのは
「悪性」「トリプルネガティブ」という結果が中心で、具体的な治療方針の話は少なかったとのこと。
その後は大病院(大学病院など)で、
- 再度の病理検査
- MRI、PET-CT、遺伝子検査 など
精密検査を経て治療方針が決まりました。
検診クリニックで受けた細胞診の結果は「2週間」と言われつつ、約1週間半で連絡。
早めの連絡は善意でも、患者側は「深刻なのでは」と不安が増幅した、という気づきが語られていました。
3. 手術は「部分切除」提案でも、本人は全摘を選んだ理由
がんの大きさは約1cm前後で、医師からは部分切除を提案されたそうです。
それでも本人はこう決断しました。
- 「根治したい」気持ちが強かった
- 自分の希望を伝えて、全摘へ変更してもらった
胸の喪失感については「ポジティブな性格もあり、想像より引きずらなかった」とのこと。
一方で、友人の家族の例として「喪失感を抱く人もいる」ことにも触れており、正解は人によって違うがにじむ場面でした。
💡全摘か温存かで迷っている方へ
同じく「全摘」を選んだ乳がんサバイバーさんが、再発リスク・再建の選択肢・気持ちの整理まで丁寧にまとめています。
▶︎【乳がん体験記 #7】私が左胸全摘を選んだ理由(きなこみるくさん)
4. 抗がん剤の副作用で一番つらかったのは「吐き気」だった
「副作用で一番しんどかったのは?」に対して、答えは即答で 吐き気。
- 投与後、3〜7日ほど吐き気が続く
- 食欲も喉の渇きもなくなる
- 治療が進むほど、慣れるどころか吐き気が強くなる
- 歯磨き粉の泡でも嘔吐を誘発
- 吐き気止めの内服すら難しくなり、終盤は坐薬を使用
ここは闘病生活でも多い悩みです。
「吐き気止めが効かない」「飲めない」段階まで行く人もいる、というリアルがありました。
5. 脱毛・ウィッグ問題:高い人毛より「人工を楽しむ」が正解だった
抗がん剤で髪はすべて抜けたそうです。
最初は、
- 「ウィッグなしでは外出できない」ほど羞恥心があった
ただ夏は暑く蒸れるため、
- ケア帽子
- 深めのハット
で過ごすようになり、羞恥心も薄れていったとのこと。
そして印象的だったのがウィッグの結論です。

- 人毛ウィッグ:約13万円(十数万円)
- 手入れが大変で劣化もする
- 売却しても 1万5千円程度になりそう
- 結果:「数千円の人工ウィッグを複数買って楽しむ方がよかった」
【あわせて読みたい】後悔しないウィッグの選び方と助成金の話 きなこみるくさんは「人工ウィッグを楽しむ」という選択をされましたが、一方で「夏場の蒸れ」や「自然さ」を重視して医療用を選びたい方も多いはず。 実は、広島県などお住まいの地域によっては最大5万円の助成金が出ることをご存知ですか? 失敗しない素材選びや、おトクな助成金制度についてはこちらの記事で詳しく解説しています。 ▶︎[記事リンク:広島県で医療用ウィッグを買う前に!失敗しない選び方と助成金活用ガイド]
6. 爪・肌・口内炎…「全部つらい」からの現実的な対処
副作用は一つじゃ終わりません。
- 爪が割れやすい
- 肌の乾燥・肌荒れ(赤み・腫れ・吹き出物・乾燥)
- 口内炎で硬いものや辛いものが食べられない
- 味覚異常で食事が楽しめない時期もあった
対処としてやっていたのは、裏ワザではなく基本の積み重ねでした。
- 医師に相談して保湿剤・軟膏を処方してもらう
- 家事は手袋で刺激を減らす
- 体や顔は保湿スプレーで“手軽に回数を増やす”
結論はシンプルです。
「一人で抱え込まず、医師に相談して薬を使う」
7. 治療後の後遺症:腕・肌・胃腸が「前と同じ」には戻らないことも
手術から約1年半、治療終了から約1年。
今も残っている困りごとが具体的でした。
腕が上がらない時期があり、痛いリハビリがつらかった
脇のリンパ節郭清の影響で、左腕が上がらず、可動域訓練は「涙目になるほど痛かった」と。現在は、元の可動域まで戻っている。
目の周りの肌荒れ(紫外線対策しても赤い腫れと乾燥)
皮膚科でも「治療の影響で肌が弱くなっているかも」と言われたそうです。
胃腸が敏感になり、嗜好品が変わった
カフェラテ好きだったのに、吐き気・腹痛のきっかけになり、治療後も合わずにやめた。
今は紅茶派に。
「治ったら元に戻る」と思いがちですが、体は別の仕様になることもある。
そのリアルがありました。
8. 治療費はいくら?高額療養費と傷病手当金が支えになった
気になるお金の話。言える範囲での数字が出ています。
- 治療費全体の体感:約50万円
- 入院費:51,317円
- 制度:高額療養費制度を利用
- さらに大きかったのが、傷病手当金の存在
とくに契約社員で、治療期間が読めない中で「貯金以外の収入がある安心感」は大きかったそうです。
ただし手続きはラクではなく、
- 退職前の分:会社が申請
- 退職後の分:自分で申請(健康保険のサイトだけでは分かりにくい)
- 結局:窓口へ行って記入方法を確認した
「サイトで分からなければ、窓口に行くのが早い」
9. 仕事は退職へ。理由は「治療がいつまで続くかわからない」から
もし手術だけで済むなら休職も選べた。
でも抗がん剤が必要になり、期間が見えない。
さらに雇用形態が
- 3ヶ月更新の契約社員
だったため、退職の流れになったとのこと。
今は専業主婦で、今後は家計状況次第で働く可能性も、という温度感でした。
📌術後の痛み・腕の可動域・リンパ液(水抜き)って実際どうだった?
同じトリプルネガティブの体験記で、退院〜リハビリ〜病理結果まで時系列で読めます。
▶︎【乳がん体験記 #9】術後〜退院、リハビリ、病理検査(きなこみるくさん)
10. メンタルが折れたのは「怖さ」より「無為に時間が過ぎる感覚」
メンタル面の答えが印象的でした。
- 「折れそう」というより、
副作用で何もできず、時間だけ過ぎるのがもったいないのがつらかった
そして、その時期の自分への対応は、
- 「今はしょうがない」
- 「自分を甘やかす時期」
と受け止めること。
がんばりすぎないことが、回復に必要な場面もあります。
11. 闘病中の情報収集:検索より「信頼できる出どころ」を選んだ
ちなみに、医療者側が外来でどんな支援をしているのか(告知配慮・就労支援・制度案内など)を一次情報でまとめた記事もあります。
→「乳腺外来の現場で実際にやっている支援(医師インタビュー)はこちら」
ネット情報が溢れる中で、判断軸は明確でした。
✅ 医療者側の一次情報:乳腺外来で実際にやっている支援(告知配慮・就労支援・制度案内)はこちら
- 主治医に質問する
- 病院から渡される資料
- 日本乳癌学会など、学会が出している書籍
「どれが正しいか」より前に、
どこが言っているかを最初に見る。
これは、トリプルネガティブ乳がんで不安が強い時ほど効く視点です。
【本で一次情報を押さえたい方へ】
ネットは情報が多すぎて、読むほど不安が増えることがあります。
私が「まず土台にしたい」と感じたのが、医療者の視点で“怪しい治療の見分け方”まで整理された一冊『最高のがん治療』でした。
記事で要点をまとめたので、時間がない方は先にこちらからどうぞ。
▶︎(https://okada.website/shimizu-ken-book-review/)
※最終判断は必ず主治医と相談してください。
12. ストレス解消は「筋トレ」。ただしリンパ浮腫リスクに配慮
体調が良い日は筋トレをしていたそうです。
ただ、リンパ節郭清後のため、左腕・左上半身に負荷をかけすぎないよう工夫
- 左腕・左上半身に負荷をかけすぎない
- プランクでは左に体重を乗せない
など工夫していました。
頑張るではなく、安全に続ける工夫がリアルでした。
13. 最後に。若くしてがんと診断された人へ伝えたいこと
がんを経験して強くなった価値観。
- 「1日を元気に過ごせるありがたみ」
- 「人生は限りがあると意識するようになった」
そしてメッセージはこれです。
人生は限りがあるので、少しでも豊かにするために、人生を楽しんでいきましょう。
座右の銘は
enjoy your life。
急性リンパ性白血病で85歳で亡くなった祖父の晩年の言葉が原点になっているそうです。
よくある質問
Q. トリプルネガティブ乳がんと診断されたら、まず何から考えるべき?
A. 体験談としては「検査でタイプを確定→治療方針が決まる」流れでした。情報収集は、主治医・病院資料・学会など信頼できる出どころを優先していました。
抗がん剤が決まったら早めの脱毛対策がおすすめ
※脱毛対策を始める方へ:ウィッグ購入には自治体の助成金が使える場合があります。広島県にお住まいの方は、購入前にこちらの助成金解説記事をチェックしておくのがおすすめです。
Q. 抗がん剤の吐き気がひどい時、どうした?
A. 内服の吐き気止めが無理になり、坐薬を使っていました。「我慢せず、医師に相談して薬を調整する」が鍵でした。
化学療法時の制吐剤(点滴)のグレードアップ+内服の吐き気止めが無理な時は坐薬を使用
Q. 乳がん治療のお金はどれくらいかかった?
A. このケースでは体感で約50万円。高額療養費制度を利用し、入院費は51,317円。また、傷病手当金が精神的にも大きな支えになったそうです。
Q. 治療後の生活は元に戻る?
A. 人によりますが、このケースでは、腕の可動域・肌荒れ・胃腸の敏感さなど、治療後も残る不調がありました。無理せず付き合い方を作っていました。
治療後もプチ不調が残る人は少なくない/身体と無理なく付き合う方法を探す
まとめ:この体験談が伝えてくれた3つのこと
- 早期発見は「日常の気づき」から起きることがある
- 抗がん剤の副作用は“根性”ではなく、相談と調整で乗り切る
- お金の制度(高額療養費・傷病手当金)が、生活と心を支える
インタビューを受けたご本人(きなこみるくさん)が、ご自身のブログで詳しくまとめています