診療放射線技師は本当に「稼げない」?20年ベテランが語る年収・キャリアのリアル

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診療放射線技師は本当に「稼げない」?20年ベテランが語る年収・キャリアのリアル

💬「レントゲン技師って、ボタンを押しているだけ?」「診療放射線技師は稼げないって本当?」

そんな疑問を持つ方に向けて、20年のキャリアを持つベテラン診療放射線技師に現場のリアルを伺いました。年収の天井、キャリアパス、女性技師の増加、装置更新の課題など、**教科書には載らない“働くリアル”**をまとめてお届けします。


1. 診療放射線技師は本当に「稼げない」?年収と離職のリアル

診療放射線技師は、医療職の中でも「安定しているが稼ぎにくい」というイメージを持たれがちです。ベテラン技師が語る、年収とキャリアの現実を見ていきましょう。

年収の「天井」は600〜650万円が上限

インタビューでは、「年収600〜650万円が上限」という声が多く聞かれました。これは、一般的な病院勤務での昇給には限界があるためです。ただし、技師長(課長職)や管理職に昇進すれば、さらなる高収入を目指すことも可能です。

📈 年収を上げる3つの方法

  1. 転職エージェントを活用:自分のスキルを正当に評価してくれる施設を探し、条件交渉をする。
  2. 専門資格の取得:放射線治療専門技師・核医学技師などの専門資格を取得し、高度な業務を担当する。
  3. 業界内での知名度向上:学会発表や論文執筆を行い、ヘッドハンティングされる可能性を高める。

看護師との比較:離職率と再就職のリアル

職種離職傾向再就職・復職
診療放射線技師低め(安定しているため「辞めない」判断も多い)難しい(若手優遇・大病院中心の採用傾向が強く、ブランク後の復帰は困難)
看護師高い容易(再就職支援や復職制度が充実)

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👉 診療放射線技師は、安定している反面キャリアの選択肢が限られるため、「辞めにくい」一方で「一度辞めると戻りにくい」職種であるのが現状です。


2. 診療放射線技師のキャリアパス

「レントゲンを撮るだけ」と思われがちですが、実際には非常に多様な専門分野があります。あなたのキャリアをどう設計するかで、仕事のやりがいは大きく変わります。

🧑‍🔬 専門性を磨くキャリア

  • 放射線治療:がん治療の三本柱の一つであり、患者さんと長期的に関わることで「ありがとう」と感謝される場面も多く、高いやりがいがあります。
  • 核医学、MRI、CT:最新の高度医療機器を使いこなす専門技師としてスキルを磨く。

🏢 異業種への転身

  • メーカー勤務:装置のアプリケーション担当として、医療現場の知識を活かして機器の操作指導やサポートを行う。
  • 教育・研究職:大学院で博士号を取得すれば、将来的に教員・研究者として後進の指導や技術開発に携わる道が開けます。

3. 👩 女性技師が増加中!採用の現状と将来性

近年、診療放射線技師の養成校の男女比はほぼ1:1になりつつあります。

この背景には、マンモグラフィー(乳がん検診)需要の増加があります。患者への配慮から男性による乳房撮影は減少傾向にあり、採用現場では「マンモ対応可能な女性技師」が優遇されるケースが増えています。今後も女性技師の需要拡大が続く見込みです。


4. 最新医療のリアル:放射線治療と粒子線治療の違い

特徴X線治療(リニアック)粒子線治療(陽子線・重粒子線)
メカニズム深部で線量が減衰する腫瘍の深さに合わせて線量を集中(ブラッグピーク
メリット設備コストが低い正常組織への負担が少ない
デメリット副作用リスクあり設備コストが非常に高い

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✅ 最近の傾向:装置技術の進歩によりX線治療の精度が向上し、粒子線治療との差が縮まってきています。

5. 装置更新の課題とコスト問題

放射線治療装置の寿命は約15年ですが、近年は円安・インフレの影響で、更新費用が10年前の2倍に高騰しています。

  • 海外製装置の価格上昇により、導入が困難な病院が増加。
  • 装置の維持管理は常勤医師がいる大病院でしか難しいという現実があり、中小規模病院では、高度な治療継続が困難になるリスクが指摘されています。

6. 診療放射線技師の夜勤・働き方の実態

夜勤の有無は勤務先によって大きく異なります。

  • 三次救急病院:夜勤あり(2人当直制が多い)
  • 中規模病院:寝当直あり
  • クリニック:夜勤なし(呼び出し対応のみ)

インタビュー技師は「放射線治療専従」に転職することで、夜勤なしの働き方を実現しました。ただし、治療件数の多い施設では残業が多い傾向もあります。


まとめ:診療放射線技師の未来をどう描くか

「天職ではないけど、20年続けてこられた」と語るベテラン技師。その理由は「資格としての安定性(手に職)」と「患者からの感謝の言葉」でした。

診療放射線技師は「稼げない」と言われがちですが、実際には――

  • キャリア次第で高収入も可能
  • 女性技師の需要が拡大
  • 専門資格・研究職・メーカー勤務など選択肢が広い

これから目指す方、キャリアに悩む方は、「どんな専門性を磨くか」「どこで働くか」を明確にすることが、安定した未来を築くための成功のカギとなるでしょう。