
「介護って、思っていた以上に奥深い仕事でした」
介護職として9年間、ケアマネとして5年、そして現在は自治体で認定調査員に4年間勤務しています。
私はこれまで、施設・在宅・制度のあらゆる立場から「介護」に関わってきました。
そして一つ、今も強く感じているのは──
**「介護は、支える人の人生も変える仕事」**だということです。
今回は、そんな私の経験から得たリアルと、家族介護者の方にこそ知ってほしい「制度の盲点」についてお話しします。
🔸この記事は、介護職歴9年・ケアマネ歴5年・認定調査員歴4年のまーこさんの体験をもとに執筆しています。
そんなまーこさんに、介護職としてのリアルや制度との向き合い方についてインタビューをさせていただきました。
▶️介護に“限界”を感じる前に──民間サービス「イチロウ」というもう一つの支え
1. 【9年間続けられた理由】「あなたに会えるのが楽しみ」その一言がすべてだった
「介護の現場って、どこも似たようなもんでしょ?」
そう思っていた私が、9年間で見てきた現実は全く違いました。
最初に勤めた当時は何もわからず、ただ目の前の仕事をこなす毎日でしたが…
その後は老健やデイサービスなど、いくつもの現場を渡り歩きました。

正直なところ、「きれいごとだけでは済まされない現実」も多くありました。
老健では時間厳守、決まりごとの多さ、常に緊張感のある空気…
デイでは人間関係の難しさに心がすり減る日も…。
それでもやっぱり、やりがいを感じられたのは、
利用者さんと笑い合えた時間や、言葉が通じ合ったあの瞬間でした。

特に今でも心に残っているのが、
一日の終わりにふと目を合わせた瞬間、涙ぐみながら伝えてくれたこの言葉です。
「あなたに会えるのが毎日の楽しみ」

たったひとことの言葉で、
心が救われることって、ありませんか?
この言葉がどれだけ自分を支えてくれたかは、
今でもうまく言葉にできないほどです。
どんなにしんどくても、
「この人のために、もう少し頑張ってみよう」
そう思えたのは、
“つながり”を感じたあの一言があったから。
「あなたに会えるのが毎日の楽しみ」
“つながり”があったから、続けてこられた。
今、心からそう思います。
9年間、給料でも環境でもない。
たった一言の “つながり” が、支えになった。
2.ケアマネとして戸惑った“最初の一歩”
妊娠・育休中にケアマネ試験に合格。
転居をきっかけに、私は新しい事業所へと足を踏み入れました。
でも正直…
「試験に受かったからといって、即戦力にはなれない」
それが、現場に立ってすぐに感じたリアルでした。
面談の進め方も、書類の扱いも、
すべてが“初めて”だらけ。
毎日、心の中でこう思っていました。

「飛び込むしかなかったんです…ごめんなさい」
はじめの頃の私は、そんなふうに謝ってばかりでした。
そんな中、私が自分に言い聞かせていたのは、
💡 「焦らず、まずは“目の前の声”に寄り添おう」
そうやって、自分を落ち着かせていました。
すると少しずつ…
クレームをくださっていたご家族が、
🌸 「あなたが担当で本当によかった」
少しずつ、そんな言葉をもらえるようになりました。

経験が浅いことは、恥ではありません。
不安や戸惑いを抱えながらも、
**「聴く力」**を信じて進んでいく。
その一歩が、確かに信頼を築いていくのだと思います。
「あなたも、今悩んでいませんか?」
💡こんな“1年目のリアル”も、ぜひご覧ください:
👉 リハビリの現場でも、迷いながら築いた信頼のストーリー
👉 BPSDに戸惑ったナースが、“聴く力”で見つけた安心感とは?
3.「知らなかった」では済まされない。介護保険に潜む“制度の落とし穴”
認定調査員に携わるようになり、
介護保険の申請から認定結果通知までのプロセスに関わる中で、
私は「制度を知ることの大切さ」を痛感しました。
💡 制度だけではカバーしきれない日常の困りごと、ありませんか?
「イチロウ」なら、必要な時に必要な分だけ、経験豊富なスタッフが訪問します。
👉 まずはサービス内容を見る
申請から結果が出るまで、目安は約30日。
その間には、医師の意見書、調査票の作成、審査会の調整など――
思っている以上に多くの人と工程が関わっています。
最近は

「とりあえず申請だけしておこう」
というケースも増えていますが、
1件あたり1万円以上の税金が使われているのが現実です。
📌便利に見える制度にも、
“正しく使わなければ誰かの負担になる”
一面があります。
だからこそ、私は声を大にして伝えたいのです。

「申請する前に、制度の仕組みを知ってほしい」と。
🔗 厚生労働省|介護保険制度の仕組みを見る(制度の全体像を図で確認できます)
4. 制度は“使ってこそ意味がある”──もったいない使い方、していませんか?
あなたやご家族が申請した制度──
「使わないまま」になっていませんか?

「認定は受けたけど、まだ何も使ってないんです」 そんな声を聞くたび、私はもったいなさで胸がギュッとします。
📌制度を知って活かす第一歩に
「認定は受けたけど、まだ何も使ってないんです」
そんな声を聞くたび、私はもったいなさで胸がギュッとします。
たとえば、ほんの少しの体操教室でも、
人とつながる時間は、認知機能や生活意欲の維持にとても大切。
📌介護保険のサービスって
「何かあったときの備え」ではなく、
「今をよりよくするため」にあるんです。
📝 意見書のお願い、忘れていませんか?
申請時に見落としがちなのが、
「医師に意見書を書いてもらう」ためのひと声。
「もう申請しましたので、よろしくお願いします」
たったそれだけで、医師もスムーズに対応してくれることが多いんです。
👀 認定調査は“普段の様子”を伝える場
調査のときは、ご家族が同席して、
“いつも通りの姿”をしっかり伝えることがとても大切。
「こんな時だけ元気に振る舞っちゃって…」
そんなケース、実は少なくありません。
だからこそ、現場の一つひとつを丁寧に進めることが、未来の安心につながります。
4-1. 「こんなはずじゃなかった…」を防ぐために
❗️〜トラブル事例から見える“気づき”とは?〜
ある事業所では、
ケアプランにない車椅子が勝手にレンタルされていたり、
住宅改修で「高さを間違えたまま」施工されてしまったケースも…。
ご本人やご家族からは…

「そんなこと、知らなかった…」
「確認してもらえてると思っていたのに…」
という声が少なくありません。
✅ たとえば、こんな事例も…
・ケアプランに記載のない車椅子が、無断でレンタルされていた
・住宅改修で「高さを間違えたまま」施工されていた
👉 小さな違和感が、思わぬトラブルの原因に…
こんなことが起こらないために、次のポイントをチェックしましょう!
だからこそ大切なのは、
ケアマネさんや事業所との“小さなすれ違い”に、早めに気づくこと。
介護保険の制度を正しく使うには、
小さな違和感や不安を「なんとなく」で終わらせないことが大事なんです。
✅ 一緒に確認していきませんか?
「これ、うちも当てはまるかも…」と少しでも思ったら、
次のセクションを読んでみてください。
4-2. 家族介護に疲れたら、ひとりで抱え込まないで
誰に話していいか分からないときも、ケアマネや地域包括支援センターは、そっと寄り添う存在です

「頑張らなきゃ…私しかいないから」
そんなふうに、ずっと一人で抱え込んでいませんか?
家族の介護は、想像以上に心も体もすり減ります。
誰にも弱音を吐けず、いつの間にか限界を超えていた──
そんな声を、私は何度も耳にしてきました。
でもね、限界を感じる前に、外の風を入れてほしいんです。
🕊 ケアマネでも、地域包括でも、ご近所さんでもかまいません。
誰かと話すだけで、気持ちがふっと軽くなることもあります。
🌱「誰かと話すことで、“まだできること”が見えてくる」
それは、私自身が何度も経験してきたことです。
あなたは、ひとりじゃありません。
4-3. 老後の備えは“若いうちからの趣味づくり”がカギ

最後に、少しだけ心にとめてほしいことがあります。
将来、介護が必要になっても──
できるだけ自分らしく、前向きに過ごしてほしい。
そのためには、**「若いうちからの趣味づくり」**が、とても大切です。
🎨絵を描くのが好き。🗣おしゃべりが得意。🎵歌やダンス、⚽️スポーツ、🧵手仕事でも。
「好きなこと」がある人は、それだけで笑顔が増えて、デイサービスでも自然と活力につながっていきます。
🔑老後のための準備は、特別なことじゃなくていいんです。
いまの「楽しい」が、将来の「心の支え」になります。