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「配属された部署がどうしても合わない」 「毎日泣きながら出勤している」 「異動を希望するのは甘えなのかな……」
その言葉、15年前の私がそのまま言っていました。
准看護師1年目の私は、急性期病棟に配属されました。処置のスピードについていけず、毎日怒られて、「自分はいらない存在なのか」と本気で思っていた時期があります。そして——部署異動を経験しました。
当時は「自分は負けたんだ」と思っていました。でも今は、はっきり言えます。
あの異動は、逃げではなく私のキャリアを守るための最善の選択でした。
現在は認定看護師として全国5か所を渡り歩く応援ナースとして働いています。1年目の異動がなければ、今の私はなかったと確信しています。
「1年目で部署異動」は甘えでも逃げでもない3つの理由
なぜ1年目での異動が「戦略」と言えるのか。現場で見てきた事実を交えてお伝えします。
① 適材適所は必ず存在する

脳神経外科のスピード感にはついていけなくても、精神科や外来で「エース」として輝いているナースを、私は何度も見てきました。
横浜の現場で一緒に働いた看護師が「急性期では全然ダメだったけど、精神科に来てから別人みたいに輝いている」と話してくれたことがあります。場所が違えば、まったく違う評価になる——これが現実です。
② 心身の健康が最優先
無理をして適応障害やうつ病になると、キャリアを修復するのに膨大な時間がかかります。
私自身、うつになりかけた時期がありました。あの時に「もう少し我慢しよう」と続けていたら、今頃どうなっていたかわかりません。今の病院で潰れる必要は、どこにもないのです。
③ 1年目だからこそやり直せる
看護界では、1年目の早い段階であれば「教育体制が整った別の場所でやり直せる」価値があります。合わない場所で3年耐え続けるより、1年目で動いた方が長期的にはるかにプラスです。
【セルフチェック】異動を考えるべき3つの限界サイン

今の苦しみが「努力で解決できるもの」か「環境を変えるべきもの」か、正直に確認してください。
① 業務内容そのものへの強い拒絶反応
急性期の緊迫感にどうしてもパニックになる、手術室の雰囲気が生理的に受け付けない——これは努力でどうにかなるものではありません。向き不向きは、スキルではなく性格と感性で決まります。
② 特定の人間関係による深刻な苦痛
プリセプターとの相性が致命的に悪い、お局からのターゲットになっている——これは個人の努力で変えることは不可能です。組織の文化や他人を変えることはできません。変えられるのは、自分の居場所だけです。
③ 身体症状が出ている
休日も動悸がする、眠れない、涙が止まらない、食欲がない——これは体からの「限界サイン」です。私も10円ハゲができるほど追い詰められた時期がありました。その段階になったら、もう「頑張る」のではなく「動く」時です。
3つのうち1つでも当てはまるなら、環境を変えることを真剣に考えてください。「石の上にも3年」は、今の時代の看護現場には当てはまらない古い価値観です。
スムーズに部署異動を実現する3つのステップ

異動を決意したら、この手順で進めてください。
ステップ①|相談相手を正しく選ぶ
直接の教育担当(プリセプター)に相談するのは避けてください。関係が複雑になるリスクがあります。師長・教務・メンタル担当——この3つのうち、最も話しやすい人を選んで相談してください。
ステップ②|理由を「ポジティブ」に言い換える
「今の部署が嫌だから」ではなく「〇〇の看護により興味があり、そちらで貢献したい」に変換することが重要です。
たとえば——
- ❌「急性期がきつくて耐えられない」
- ✅「精神科での対話を通じた看護に強い関心があり、そちらで専門性を磨きたい」
面接官が見ているのは「なぜ今の部署が嫌か」ではなく「どこで何をしたいか」です。
ステップ③|自分の中で期限を決める
「あと3ヶ月頑張って、状況が変わらなければ動く」と期限を決めるだけで、心はぐっと楽になります。ゴールのないマラソンは続けられません。終わりが見えれば、今日を乗り越えられます。
院内異動が難しい場合のプランB
病院の欠員状況によっては、希望しても内部異動が通らないことがあります。そんな時は——
① 転職という選択肢を持つ
「今の病院の常識が、看護界のすべてではない」ことを忘れないでください。他の病院に行けば、まったく違う文化と働き方があります。私が応援ナースとして全国を渡り歩いて一番感じたのは、これです。
② 転職サイトに登録して「外の世界」を覗く
すぐに辞める予定がなくても、転職サイトを3社以上登録して求人や口コミを眺めるだけで「自分には他にも居場所がある」という安心感が生まれます。
この安心感が、今の職場での精神的な余裕につながります。逃げ道を知っているだけで、人は強くなれます。
※今の職場と比べるだけの「情報収集」でも大丈夫です。
まとめ|あなたの人生は「配属ガチャ」で決まらない
准看護師1年目で部署異動した私が、今こうして全国を飛び回りながら笑って働いています。
1年目の異動は、敗北ではなかった。自分に合った場所を探すための、最初の一歩だった。
今あなたが感じている苦しみは、将来「あの時に動いてよかった」と言える糧になります。急性期で学んだ観察眼は、後の精神科でも大いに役立ちました。どこで何を経験しても、無駄になるものは一つもありません。
看護師免許は「どこでも行けるチケット」です。今の病院だけが世界のすべてではありません。
自分と自分の働く環境は、自分の意志で変えることができます。
今日が人生で一番若い日。まずは一歩、自分のために選択肢を広げることから始めてみてください。