※本記事にはPRを含みます
公開日:2025-10-22|最終更新:2025-10-26
取材:病棟勤務10年超えの保健師・糖尿病療養指導士(育休中/匿名 Eさん)
監修・執筆:認定看護師/オカダ(一次インタビュー/匿名加工)

「復職、やっていけるかな?」
育休中のママ看護師が抱くいちばんの不安は、子育てと業務の養ばさみと、人間関係の再スタート。本記事は認定看護師である筆者と、病棟病院10年超えの保健師・糖尿病療養指導士(育休中)の一次情報に基づく実践ガイドです。休職のリアル(制度とお金)/外部支援の使い方/ハラスメントの線引き/CDEJの活かし方を、チェックリストと台本付きでまとめました。
この記事でわかること
・休職・育休明けに後悔しない「3つの行動」
・「もう無理」のときの制度・お金の実態(3ヶ月×2回の事例)
・ハラスメントを個人戦にしないチーム対応の型
・糖尿病療養指導士(CDEJ)の現場での効き目と活かし方
復職プランの骨子は先に把握しておくと安心です。→ 復職の全体像と病院 or 訪問看護の選び方
第1章 育休明け復職の壁と両立戦略
家族側のメンタル変動を前提に、自治体支援の最新動向も確認を。
参考)国立成育医療研究センター
1-1. 最大不安は「育児×業務」の養ばさみ
- 朝の登園〜勤務〜帰宅後の育児で慣れるまでが最難関
- 感情の波(ホルモン影響)は前提。自己否定ではなく自己受容へ
感情の波は“異常”ではありません。→ 新人期のしんどさを言語化するノート
1-2. 不安を打ち消す「病院活用術」
- 部署希望の提出:夜勤回数/土日稼働/外来or病棟を優先順位付きで
- 勤務調整の相談:時短・段階的復帰・2ヶ月後の再評価を事前合意
- 福利厚生:院内託児/看護休暇/時差出勤等の制度横断で最適化
勤務設計の具体例は→ 夜勤回数×育児のリアル(男性看護師のケーススタディ)
師長面談や人事相談の前に、→ 面談前に読みたい「辞めたい時の最終ガイド」
「2025年4月1日以降は残業免除の対象が就学前まで拡大。最新の制度改正はこちら。」
参考)厚労省 改正のポイント
1-3. 核家族を救う外部支援マップ
- ホームスタート:研修済みボランティアの家庭訪問型伴走(外遊び同伴・発達に合う遊び)
- 産後ドゥーラ/ベビーシッター/家事代行:母子二人きり時間を減らす設計
- 開始時に決める:目標/頻度/観察ポイント/連絡窓口
外部支援は家庭内の役割設計と併用が効果的→ 家事・育児の分担を仕組み化するチェック
勤務先が導入していれば1回あたり最大4,400円補助があります。
第2章 キャリアアップ&限界突破:休職とCDEJ活用
2-1. 休職は「有効な選択肢」——制度とお金のリアル
- 診断書による休職の実例:数ヶ月複数回
- 傷病手当金 等の手続きは病院が主に対応 → 事務負担は軽減
- 生活面:実家帰省や寮活用でコスト最適化
- 相談前チェックリスト(抜粋)
- 症状の経過と業務影響のメモ
- 産業医/主治医受診の見込み
- 休職中の連絡手段・引き継ぎ枠組み
- 復職判定の基準(勤務時間・夜勤可否・部署希望)
段階的復帰の枠組みは→ 休職→復職の段階的復帰
待期3日後の4日目から支給、通算1年6か月が上限です。申請手順と書式はこちら。
2-2. 糖尿病療養指導士(CDEJ):取得メリットと現場効用
- 動機:病棟経験の可視化/加算対応/先輩ロールモデル
- 効き目:10症例提出でアセスメント視点が体系化、教育入院で実地の学習が進む
- 復職後の活かし方
- 新人教育:評価項目チェックリスト共有
- 退院支援:食事・運動・薬物療法を続けられる最小単位まで分解
- 多職種連携の説明力が上がる(「読む」→「自分の言葉で書く」へ)
教育力・連携力の底上げ事例は→ 認定看護師の教育・連携が効いた事例
第3章 退職を減らす現場の知恵:人間関係×ハラスメント
パワハラ/セクハラ/マタハラの定義・企業の防止義務・研修資料は公式で確認を。」
3-1. 新人・若手の早期離職は「人間関係」が主因
- リアリティショックへの心理教育が有効
- 3つの実践
- 認知:性格ではなく状況で捉える
- 対応:Iメッセージ/DESC法/距離と基準
- 反面教師:やらない行動リスト作成
環境が守ってくれないと感じたら→ インシデント後に守られなかった職場——決断までの記録
3-2. 自己犠牲をやめる——「必要医療」と「落としどころ」
- 必要医療は誠実に、それ以外はチームで線引き
- ガイドライン例
- 優先順位:安全>治療>生活支援>情緒的要望
- 時間枠:患者1人当たりの上限/再訪の基準
- 定型句:「今すぐは難しいため、○時に再訪します」
3-3. 患者からのハラスメントは個人戦NG/チーム戦へ
- 即距離→上司報告→カルテ記載→担当替え(男性看護師含む)
- 病状要因(例:前頭葉障害)を考慮しつつ、まず安全確保
- 新人には「元気になってきたサイン」と線引きを共有
パワハラ/セクハラ/マタハラの定義・企業の防止義務・研修資料は公式で確認を。
付録A 復職準備チェックリスト
- 診断書・通院記録の整理
- 復職基準(勤務時間/夜勤可否/就業制限)
- 部署希望・シフト配慮の優先順位表
- 家庭体制(登園・送迎・家事分担・外部サービス)
- 非常時連絡網(保育園・家族・病院)
- メンタルフォロー(産業医・外来・オンライン相談)
付録B 交渉・断り・ハラスメント対応 台本集
交渉(勤務調整)

「夜勤は当面○回で開始し、2ヶ月後に再評価をお願いします。業務習熟に合わせて拡大可否を相談させてください。」
断り(落としどころ)

「いまは安全確保が最優先です。○時に再訪して対応します。」
ハラスメント対応

「その言動は受け入れられません。安全のため担当を交代します。必要な医療は継続しますが、以降は複数名で対応します。」
FAQ

Q1. 休職中のお金はどうなりますか?
A. 傷病手当金等の手続きを病院が担うケースが多く、給与全額ではないものの生活設計は可能な範囲。所属先規程を確認。
Q2. 復職先は選べますか?
A. 希望提出できる病院が多いです。夜勤回数・土日稼働・外来/病棟などを優先順位で提示すると調整が進みます。
Q3. 病状が要因なら我慢すべき?
A. いいえ。安全確保と線引きが最優先。上司報告・記録・担当替えを含むチーム対応へ。
Q4. CDEJは現場で役立ちますか?
A. はい。評価視点が体系化され、新人教育や退院支援、説明力の向上に直結します。
まとめ|“個人戦をやめて仕組みで守る”が復職成功の最短ルート
- 最大の壁は「育児×業務」の養ばさみ。感情の波は前提にして、自己否定ではなく自己受容へ。
- 病院を交渉の場に:部署希望・夜勤回数・段階的復帰を優先順位付きで提示し、2ヶ月後の再評価を事前合意する。
- 核家族の限界は外部資源で補う:ホームスタート/産後ドゥーラ/家事代行で母子二人きり時間を減らす設計を。
- 休職は有効な選択肢:診断書→(例)3ヶ月×2回、傷病手当金の手続きは病院主体で事務負担は軽め。生活は実家・寮等で最適化。
- 自己犠牲をやめる運用:必要医療は誠実に、その他は落としどころ(優先順位・時間枠・定型句)で線引き。
- ハラスメントはチーム戦:即距離→上司報告→記録→担当替えを徹底。新人には「元気になってきたサイン」と線引きを共有。
- CDEJは現場の説明力を底上げ:10症例で評価視点が体系化。新人教育・退院支援の説得力が上がる。
今日からできる「3つの行動」
- 交渉の下書きを作る:夜勤回数/土日稼働/部署希望を第一〜第三希望で箇条書き。
- 外部支援の予約:ホームスタートor家事代行を復職前に2枠確保。
- 落としどころ台本をスマホに保存:「今は安全確保を優先します。○時に再訪します」/
「その言動は受け入れられません。安全のため担当交代します」
7日間ミニプラン
- Day1:症状・不安・希望条件をメモ化(5分×3項目)
- Day2:配偶者・家族と送迎/家事の役割を決定
- Day3:ホームスタート/家事代行の初回訪問を予約
- Day4:師長面談用に「優先順位表+2ヶ月後再評価案」を清書
- Day5:CDEJの症例テンプレ/新人教育チェックリストを準備
- Day6:落としどころ台本を病棟端末・スマホに保存
- Day7:想定Q&A(FAQ)を家族にも共有し、緊急連絡網を確認
見学・面談の比較効率を上げるなら→ 看護師向け・厳選転職サイト3選(登録だけでも価値アリの理由)
次の一歩
- 無料PDF『復職準備10チェック+交渉&ハラ対応台本』を入手して、面談前に整えておきましょう。
- 30分オンライン相談:あなたの勤務条件と家庭事情に合わせて2ヶ月後に再評価される復職プランを一緒に作成します。

体調・メンタルが最優先。「できないことはできない」と言える環境づくりこそ、復職を成功に導く一番の近道です。